ミュージカル「カムフロムアウェイ」
2024年4月27日(土)くもりのち晴
12時から久留米シティプラザグランドホールで「カムフロムアウェイ」を見た。実話をベースにしたミュージカルで、出演者12人で100人以上の人物を演じるという意欲作。公式サイトのあらすじは以下のとおり。
「2001年9月11日、ニューヨークで同時多発テロ事件の発生。アメリカの領空が急遽閉鎖された。目的地を失った38機の飛行機と7,000人の乗客・乗員たち。行き場のない38機の飛行機は、カナダのニューファンドランド島のガンダー国際空港に降り立つ。 カナダの小さな町。わずか1万人の人口は一夜にして約2倍となった。人種も出身も様々な人々はこの地でどんな5日間を過ごし、飛びたつのか―」
役者が12人だけなので、各々がガンダーの街の人たち、いろんな出自の飛行機の乗客、飛行機会社の人間、動物愛護組合の人間などを演じていくのだけれども、練られた脚本と演出のおかげで、見ている側が何がどうなっているかを見失うことはない。(演者はものすごく大変だと思う。)
隣の席のおじさんは途中からずっと泣いていた。人間の善性を信じたくなるような作品なのでそれも納得。
ガンダーの街の人たちは、突然行き場をなくした乗客たちに不便がないようにありったけの物資を集めて待っていたが、乗客たちが一番必要としたのは電話(つまりは人との繋がり)だったというくだりや、消防士の息子と連絡が取れない母親を励まし続ける避難所のリーダー、航空会社発の女性機長になるために努力を重ねたのに、自分の愛する飛行機を爆弾にされたと嘆く機長と、印象的なシーンが目白押しだった。言葉の通じない人たちを落ち着かせるために、彼らが持っていた聖書のフィリピの信徒への手紙第4章6節を指差して意思の疎通を図るシーンを見て、これが日本で起きたとして、なにか代わりにできるようなものがあるだろうかと考えてしまった。見た目だけで警戒され差別的な扱いを受ける中東系のキャラクターが、声を荒げて抗議するようなところがないのは気になったけれども(騒ぎ立てるとかえって悪い立場に置かれると考えてのことかもしれないが)、ものすごく面白かった。
キャスト陣が、宇垣美里氏いうところのミュージカルアベンジャーズ的な豪華メンツであることも手伝って、100分間とは思えない充実した観劇体験となった。座組が豪華すぎるせいか、大きな劇場でばかりやっているけれども、再演があるのならガラッとキャスティングを変えて、狭めの箱でやっているところも見てみたい。なかなか日本では興行として成り立たないのかもしれないけれども。
終演後も作品の余韻がすごかったので、グッズを買うかひとしきり悩んでウロウロした後、暑かったのでホール裏の商店街にあるお店でソフトクリームを食べていたら、向こうからでかい男2人が歩いてきて、よく見なくてもさっき舞台上にいた加藤和樹と吉原光夫だった。悪いとは思いつつそちらをじっと見てしまった。たぶんマチネの前にラーメンを食べに行くんだろうな……などと考えていたら追っかけてきた女性たちがスマホを構えていて、それはちょっとダメなのではと思った。
すごく良かったのでソワレも見て帰ろうかなんて思ったけれども、体がけっこうしんどかったので大人しく帰路へ。途中でご飯を買って、家についてから食べた。カムフロムアウェイの番宣ラジオや関連ドキュメンタリーを見ていたらあっという間に時間が過ぎた。風呂に入って寝た。