2023年見たものリスト
取り急ぎ今年見たものをリストにしました。最近、ぜんぜん映画を見られていないなあ何でだろうとずっと思っていたんですが、舞台と配信を見過ぎていたからでした。キャナルシティ劇場に短いスパンで色んな作品が来てくれるようになったので、結構通ったなという感じがある。
好きだったミュージカル→「ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル」と「鴛鴦歌合戦」
主題歌がツボにハマったミュージカル→「Lilacの夢路」
好きだった演劇作品→本数見ていないのもあるけど「兎、波を走る」
好きだったレビュー→花組作品全部、「ジュエル・ド・パリ」
邦画とアニメ映画をよく見た年だったなと思います。MCUを追う気がほぼ無くなったのがでかい。インファナルアフェア終極無限を見るのが無理ゲーすぎて特典ポストカードをコンプリート出来なかったのが悔しかったです。以下、各種回数を数えてみました。
現場に行った回数ランキング
1.映画館 25回
2.ミュージカル関連 24回
13回(ミュージカル観劇)
1回(音楽劇)
2回(柚香光コンサート)
6回(宝塚ライブビューイング)
1回(真彩希帆ディナーショー)
1回(真彩希帆ファンミーティング)
3.展覧会 13回
4.演劇 11回
10回+1回(大衆演劇)
5.ライブ 3回
行った劇場ランキング
3.宝塚大劇場 5回
4.帝国劇場 4回
5.東京宝塚劇場 3回
見たものの制作会社等ランキング
1.宝塚歌劇団 38回
花組 17回
星組 8回
雪組 7回
宙組 4回
月組 3回
2.東宝 13回
3.梅芸 7回(うち2回梅芸/東宝)
4.PARCO/ホリプロ 3回
リストにすると遠征時の詰め込みようが一目瞭然になるので反省しました。来年はゆとりのある予定を組みます。たぶん。
NO |
種類 |
日付 |
時間 |
タイトル |
場所 |
備考 |
1 |
ミュージカル |
1/3 |
マチネ |
|
||
2 |
映画 |
1/4 |
|
トゥモローモーニング |
KBCシネマ |
|
3 |
映画 |
1/8 |
|
THE FIRST SLUMDUNK |
TJOY |
ドルビーシネマ |
4 |
テレビ |
1/15 |
|
望海風斗ドラマティックコンサート「Look at me」 |
|
|
5 |
配信 |
1/15 |
|
MAKAZEIZM |
U-NEXT |
|
6 |
ミュージカル |
1/17 |
ソワレ |
|||
7 |
映画 |
1/20 |
|
RRR |
TJOY |
ドルビーシネマ |
8 |
配信 |
1/20 |
|
芹香斗亜ディナーショー「KISS-kiki sing&song」 |
Rakuten TV |
|
9 |
ミュージカル |
1/21 |
ソワレ |
宝塚ホテル泊 |
||
10 |
ミュージカル |
1/22 |
マチネ |
|
||
11 |
配信 |
1/30 |
|
up!!! |
愛希れいか×井上芳雄 |
|
12 |
配信 |
1/31 |
|
up!!! |
||
13 |
展覧会 |
2/5 |
|
ソールライター展 |
|
|
14 |
講演会 |
2/5 |
|
|
||
15 |
展覧会 |
2/5 |
|
田中千智展「地平線と道」 |
|
|
16 |
配信 |
2/11 |
|
宝塚雪組公演「海辺のストルーエンセ」 |
Rakuten TV |
|
17 |
配信 |
2/12 |
|
Rakuten TV |
|
|
18 |
ミュージカル |
2/17 |
ソワレ |
ミーンガールズ |
キャナルシティ劇場 |
|
19 |
配信 |
2/19 |
|
宝塚雪組公演「ボニー&クライド」 |
Rakuten TV |
|
20 |
配信 |
2/23 |
|
DMM |
|
|
21 |
映画 |
2/25 |
|
轟音シアター |
||
22 |
映画 |
3/3 |
|
TJOY |
ドルビーシネマ |
|
23 |
演劇 |
3/4 |
ソワレ |
木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」 |
久留米座 |
|
24 |
展示会 |
3/5 |
|
田中千智展 |
三越画廊 |
アマビエの絵がすごく欲しかった |
25 |
ミュージカル |
3/11 |
マチネ |
福原みほ回 |
||
26 |
ミュージカル |
3/12 |
マチネ |
村川絵梨回 こっちの方が好みだった |
||
27 |
展覧会 |
3/18 |
|
|
||
28 |
ミュージカル |
3/18 |
ソワレ |
ジキル&ハイド |
東京国際フォーラムホールC |
柿澤勇人×真彩希帆 |
29 |
展覧会 |
3/19 |
|
|
||
30 |
ミュージカル |
3/19 |
マチネ |
|||
31 |
ミュージカル |
3/20 |
マチネ |
東京芸術劇場プレイハウス |
ジェーン:屋比久知奈 |
|
32 |
展覧会 |
3/20 |
|
マリー・ローランサンとモード |
|
|
33 |
ライブ |
3/20 |
|
"VG"vol.3 |
EX theater ROPPONGI |
This is last/GRAPEVINE/UNIZON SQUARE GARDEN |
34 |
映画 |
3/24 |
|
シン・仮面ライダー |
TJOY |
|
35 |
映画 |
3/31 |
|
ベイビーわるきゅーれ2ベイビー |
TJOY |
|
36 |
映画 |
4/1 |
|
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス |
ユナイテッド |
|
37 |
演劇 |
4/2 |
マチネ |
キャナルシティ劇場 |
|
|
38 |
配信 |
4/2 |
|
up!!! |
ジェーン:上白石萌音 |
|
39 |
映画 |
4/8 |
|
ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り 字幕 |
TJOY |
ドルビーシネマ |
40 |
映画 |
4/8 |
|
刀剣乱舞 黎明 |
TJOY |
|
41 |
ミュージカル |
4/9 |
ソワレ |
|
||
42 |
映画 |
4/11 |
|
ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り 吹替 |
TJOY |
|
43 |
演劇 |
4/15 |
ソワレ |
キングダム |
|
|
44 |
音楽劇 |
4/16 |
マチネ |
おとこたち |
キャナルシティ劇場 |
|
45 |
演劇 |
4/23 |
マチネ |
キングダム |
面白かったのでチケットを増やした |
|
46 |
配信 |
4/27 |
ソワレ |
水美舞斗ディナーショー「One and Only」 |
Rakuten TV |
|
47 |
配信 |
4/29 |
|
Rakuten TV |
|
|
48 |
演劇 |
5/4 |
マチネ |
キャナルシティ劇場 |
今年見た中で1番しんどい芝居だった。 |
|
49 |
ライブビューイング |
5/5 |
|
宝塚花組公演「2人だけの戦場」 |
中洲大洋劇場 |
|
50 |
ミュージカル |
5/13 |
ソワレ |
宝塚雪組公演「L ilacの夢路/ジュエル・ド・パリ!」 |
初舞台生可愛かった~ タカホに泊まった |
|
51 |
ディナーショー |
5/14 |
マチネ |
真彩希帆ディナーショー「chiaro」 |
宝塚ホテル |
|
52 |
映画 |
5/18 |
|
スーパーマリオブラザーズムービー 吹替 |
TJOY |
|
53 |
ミュージカル |
5/20 |
マチネ |
SPY×FAMILY |
|
|
54 |
ミュージカル |
5/21 |
マチネ |
GYPSY |
キャナルシティ劇場 |
|
55 |
ミュージカル |
5/27 |
ソワレ |
ミュージック・マン |
隣の席がずっと咳をしたりいびきをかいたり汗だくになったTシャツを脱いだり来たりしてるのが不快で2幕は立見した |
|
56 |
配信 |
5/28 |
|
宝塚雪組公演「Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ!」 |
Rakuten TV |
|
57 |
映画 |
5/31 |
|
TJOY |
|
|
58 |
展覧会 |
6/3 |
|
ミュシャ展 マルチアーティストの先駆者 |
|
|
59 |
配信 |
6/8 |
ソワレ |
鳳月杏ディナーショー「Gemini」 |
Rakuten TV |
|
60 |
ライブビューイング |
6/11 |
|
ユナイテッド |
真風涼帆ラストデイ |
|
61 |
ミュージカル |
6/17 |
マチネ |
ファインディング・ネバーランド |
久留米シティプラザホール |
観劇後にWikipediaを見てはいけない |
62 |
6/18 |
マチネ |
劇団朱雀 |
キャナルシティ劇場 |
3部まであって端っこまであんこたっぷりだった |
|
63 |
映画 |
6/23 |
|
スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース |
ユナイテッド |
|
64 |
ミュージカル |
6/24 |
マチネ |
キャナルシティ劇場 |
|
|
65 |
映画 |
6/25 |
|
リバー、流れないでよ |
|
|
66 |
演劇 |
6/29 |
ソワレ |
ART |
キャナルシティ劇場 |
大泉洋の人気すごいなと思った |
67 |
映画 |
7/1 |
|
リトル・マーメイド 吹替 |
TJOY |
最前列で酔った |
68 |
配信 |
7/2 |
|
宝塚星組公演「1789」 |
Rakuten TV |
|
69 |
ライブ |
7/13 |
|
syrup16g Live Hell-see |
DRUM LOGOS |
棚ぼたツアーファイナル |
70 |
映画 |
7/14 |
|
TJOY |
初日に見た |
|
71 |
配信 |
7/16 |
|
宝塚雪組公演「Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ!」 |
Rakuten TV |
|
72 |
ミュージカル |
7/21 |
マチネ |
ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル! |
帝国劇場 |
望海風斗/井上芳雄 |
73 |
展覧会 |
7/21 |
|
テート美術館展 |
|
|
74 |
ミュージカル |
7/22 |
マチネ |
ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル! |
帝国劇場 |
望海風斗/井上芳雄 |
75 |
ミュージカル |
7/22 |
ソワレ |
ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル! |
帝国劇場 |
平原綾香/甲斐翔馬 |
76 |
展覧会 |
7/23 |
|
|
||
77 |
ライブビューイング |
7/29 |
|
|
||
78 |
ミュージカル |
8/5 |
ソワレ |
ファントム |
|
|
79 |
ミュージカル |
8/6 |
マチネ |
|
||
80 |
ミュージカル |
8/6 |
ソワレ |
|
||
81 |
展覧会 |
8/11 |
|
はしもとみお彫刻展 |
唐津市近代図書館 |
|
82 |
配信 |
8/13 |
|
Rakuten TV |
|
|
83 |
展覧会 |
8/14 |
|
絵本ミュージアム |
|
|
84 |
配信 |
8/17 |
|
舞台弱虫ペダルDAY1 |
|
|
85 |
展覧会 |
8/18 |
|
ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開 |
アーティゾン美術館 |
ボリュームすごすぎた |
86 |
ミュージカル |
8/19 |
マチネ |
ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル! |
帝国劇場 |
望海風斗/井上芳雄 |
87 |
演劇 |
8/20 |
マチネ |
SHINE SHOW! |
シアタークリエ |
最前列 |
88 |
演劇 |
8/26 |
マチネ |
野田地図「兎、波を走る」 |
|
|
89 |
配信 |
8/27 |
|
宝塚星組公演「1789」 |
Rakuten TV |
|
90 |
配信 |
9/3 |
|
宝塚雪組公演「双曲線上のカルテ」 |
Rakuten TV |
|
91 |
配信 |
9/14 |
|
宝塚花組公演「鴛鴦歌合戦」新人公演 |
Rakuten TV |
コロナで熱にうなされながら見た |
92 |
ミュージカル |
9/29 |
マチネ |
|
||
93 |
ミュージカル |
9/29 |
ソワレ |
|
||
94 |
ミュージカル |
9/30 |
マチネ |
|
||
95 |
ミュージカル |
9/30 |
ソワレ |
アナスタシア |
|
|
96 |
ファンミーティング |
10/1 |
|
真彩希帆ファンミーティング |
帝国ホテル |
最前列 |
97 |
ライブビューイング |
10/8 |
マチネ |
|
||
98 |
ミュージカル |
10/11 |
ソワレ |
スリル・ミー |
キャナルシティ劇場 |
尾上松也×廣瀬友祐 |
99 |
演劇 |
10/15 |
マチネ |
ヨーロッパ企画「切り裂かないけど攫いはするジャック」 |
キャナルシティ劇場 |
|
100 |
映画 |
10/20 |
|
ザ・クリエイター創造者 |
ユナイテッド |
スクリーンX |
101 |
配信 |
10/21 |
|
雪組100thコンサート |
ぴあLIVE stream |
だいきほのターンを見られたので満足 |
102 |
ライブ |
10/21 |
|
DRUMLOGOS |
|
|
103 |
ミュージカル |
10/22 |
ソワレ |
宝塚星組公演「ME AND MY GIRL」 |
水美舞斗ビル回 |
|
104 |
配信 |
10/28 |
|
宝塚星組公演「ME AND MY GIRL」 |
Rakuten TV |
暁千星ビル回 |
105 |
配信 |
10/29 |
|
宝塚星組公演「ME AND MY GIRL」 |
Rakuten TV |
水美舞斗ビル回 |
106 |
配信 |
10/29 |
|
水美舞斗-side A- side B |
Rakuten TV |
|
107 |
映画 |
11/3 |
|
ダンサーin Paris |
KBCシネマ |
|
108 |
配信 |
11/4 |
ソワレ |
ZAIKO |
|
|
109 |
映画 |
11/5 |
|
KBCシネマ |
|
|
110 |
映画 |
11/5 |
|
KBCシネマ |
|
|
111 |
映画 |
11/18 |
|
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 |
TJOY |
|
112 |
配信 |
11/18 |
|
日比谷ブロードウェイwith芳雄のミュー |
|
|
113 |
配信 |
11/19 |
|
宝塚月組公演「フリューゲル/万華鏡百景色」 |
Rakuten TV |
|
114 |
配信 |
11/19 |
|
SHE SAIDその名を暴け |
WOWOWオンデマンド |
|
115 |
映画 |
11/23 |
|
宝塚星組公演「1789」 |
TJOY |
ドルビーシネマ |
116 |
展覧会 |
11/25 |
|
古代メキシコ展 |
|
|
117 |
ミュージカル |
12/1 |
ソワレ |
相模女子大グリーンホール |
|
|
118 |
展覧会 |
12/2 |
|
イブサンローラン展 |
|
|
119 |
ライブビューイング |
12/2 |
|
花組公演「BE SHINING!!」 |
TOHO渋谷 |
|
120 |
コンサート |
12/3 |
|
花組公演「BE SHINING!!」 |
東京千秋楽 |
|
121 |
演劇 |
12/9 |
ソワレ |
無駄な抵抗 |
兵庫県立美術文化センター中ホール |
|
122 |
コンサート |
12/10 |
|
花組公演「BE SHINING!!」 |
神戸国際会館こくさいホール |
神戸初日 |
123 |
ライブビューイング |
12/12 |
|
花組公演「BE SHINING!!」 |
ソラリアシネマ |
|
124 |
映画 |
12/16 |
|
窓際のトットちゃん |
TJOY |
|
125 |
テレビ |
12/23 |
|
イップ・マン完結 |
|
|
126 |
配信 |
12/24 |
|
和希そらクリスマスディナーショー「Vie.」 |
Rakuten TV |
|
127 |
映画 |
12/29 |
|
thee michelle gun elephant"THEE MOVIE"LAST HEAVEN 031011 |
中洲大洋劇場 |
終演後に拍手が起こったのが良かった |
128 |
ドラマ |
|
|
大奥(NHK) |
|
|
129 |
ドラマ |
|
|
緊急取調室 |
|
|
130 |
ドラマ |
|
|
|
|
|
131 |
ドラマ |
|
|
アストリッドとラファエル(シーズン2&3) |
|
|
132 |
ドラマ |
|
|
|
|
|
133 |
ドラマ |
|
|
VIVANT |
|
|
134 |
ドラマ |
|
|
ブギウギ |
|
|
135 |
漫画 |
|
|
しあわせは食べて寝て待て |
|
|
136 |
漫画 |
|
|
氷の城壁 |
|
|
137 |
漫画 |
|
|
|
|
|
138 |
漫画 |
|
|
アデライトの花 |
|
|
139 |
漫画 |
|
|
スキップとローファー |
|
|
140 |
漫画 |
|
|
|
|
|
141 |
漫画 |
|
|
正反対な君と僕 |
|
|
142 |
テレビ録画 |
|
|
MONDAYSこのタイムループループ上司に気づかせないと終わらない |
|
|
143 |
舞台録画 |
|
|
PARCOステージ「ピサロ」 |
|
|
144 |
舞台録画 |
|
|
PARCOステージ「ゲルニカ」 |
|
|
145 |
舞台録画 |
|
|
杉原邦生演出「パンドラの鐘」 |
|
|
146 |
舞台録画 |
|
|
|
|
|
147 |
舞台録画 |
|
|
るろうに剣心ミュージカル京都編 |
|
|
148 |
ラジオドラマ |
|
|
ラングドックの薔薇 |
面白すぎてテキスト起こししながら聞いてた |
宝塚雪組公演 双曲線上のカルテ@ライブ配信
2023年9月3日(日)
16時から配信で、宝塚雪組公演「双曲線上のカルテ」を見た。あらすじは以下の通り。
『渡辺淳一の医療小説の傑作「無影燈」を、イタリアに舞台を移しミュージカル化した作品。一流の腕を持つ外科医でありながら、エリートコースを捨て個人病院で働くフェルナンドは、夜勤中でも酒を飲み、数々の女性と浮名を流す異端児であった。孤独な影を秘め、常識にとらわれない行動で病院内に多くの敵を作るフェルナンドだったが、彼なりのやり方で真摯に患者と向き合う姿に、看護師のモニカは次第に恋心を抱くようになっていく。だが、フェルナンドは、ある秘密を抱えていた……。フェルナンドとモニカの恋愛を軸に、真の医療とは、愛とは、そして命とは……という深遠なテーマを真正面から描き出すヒューマンドラマ。』
役者はみんな良かったけれども、脚本が完全にNOT FOR MEだったので、以下、感想というより悪口になってしまった。この作品が大好きで感動してボロ泣きしたという方は読まないで欲しい。それがお互いのためです。これまで見てきた宝塚歌劇作品の中でもダントツ一番で合わなかった。スターさんを釣り餌として観客にこの価値観をすり込むのは罪が深いのでは?と思ったくらい合わなかった。
原作者が原作者なので仕方ないのかもしれないが、とにかく男性にとって都合がいい展開が多くて頭がくらくらした。
主人公フェルナンドが務める病院の院長セルジオは、前院長の娘ロザンナと結婚してクラリーチェという一人娘をもうけている。妻の尻にしかれつつも普通にうまくやっているように見えるが、看護師長と現在進行形で不倫関係にある。結婚前に付き合ってた酒場経営者のアニータは、実はセルジオとの間の子を出産していていたのだが、セルジオにはその事実を伝えず息子を成人まで育て上げている。セルジオは、隠し子の存在は知らないがアニータの酒場を贔屓にしているので付き合いが切れたことはなさそう。
この設定の時点でうわぁ……と思っていたのだけれども、セルジオの一人娘クラリーチェが再生不良性貧血と診断され骨髄ドナーを探す必要が出てきたタイミングで隠し子の存在が発覚し、その隠し子アントニオから骨髄移植を受けてクラリーチェが回復するという展開になったので心底ゲンナリした。ご都合展開にも程があるし、種まき散らしておいてよかったね!男の本能だから仕方ないよね!とでも言いたいのか?と思ってしまった。
隠し子の存在が発覚してもセルジオは妻から1発殴られるだけでギャグとして処理されるし、その隠し子のアントニオは、シングルマザーとして自分を育てたアニータに向かって、セルジオに養育費や慰謝料を請求したらパパとママの恋愛に傷がつくだとかって意味不明なことを言い出すしでツッコミが止まらない。骨髄提供者と患者との間で金銭のやり取りが禁止されている件と、養育費や慰謝料の問題とをごっちゃにしないで欲しい。子どもは生まれたら勝手に育つものじゃないんだよ。手術後のクラリーチェの面倒を見ているのが、父セルジオの不倫相手の看護師長なところもグロかった。女性看護師がプロフェッショナルの医療者として描写される箇所がほぼ無いことにも閉口。
主人公のフェルナンドが看護師モニカに対して、死に瀕した患者からのセクハラを許容してこそ一人前の看護師みたいなこと言い出す展開もどうかと思った。モニカはその場では反発していたけれども、後日、余命わずかの男性患者に抱きつかれたときには許して抱きしめ返してやるという展開になっていた。今回だけは……の積み重ねで心を病む医療従事者も多かろうに、なんだこれはという気持ちになった。
主人公のフェルナンドが、自分の病状(末期の多発性骨髄腫)を勤め先に秘匿して患者の治療をしているのもどうかと思う。事実を知らされていなければマネジメント部門でサポートのしようが無いので、患者の不利益に繋がる可能性が高い。
末期がん患者に病名を伝えず、胃潰瘍だと信じさせるために形だけの手術をおこなう展開も、インフォームドコンセントが徹底されている現代の感覚で見ると不合理に感じた。
耐え難い苦痛に際して自死を選ぶのは本人の選択なので尊重したい気持ちはあるが、治験薬を使って定期的に経過を見ていた医療従事者がそれをやるんだ……って気持ちにもなった。
何よりドン引きしたのが最後のオチ。フェルナンドは余命幾ばくもない自分に救いを与えてくれた看護師モニカと恋に落ちるが、彼女に自分の病のことは伝えない。そんなある日、同僚に2人で出かけることを伝えた上で旅行に出かけ、彼女を母親に合わせ、その直後にフェルナンドはひとりで入水自殺。モニカはその時には妊娠しており……って、彼女を人間扱いしていないにも程があると思うのだが、フェルナンドの同僚のランベルト医師いわく、フェルナンドはモニカだけを愛していたからそうしたのだそうだ。
もう、とことん作者と気が合わない。
相手が確実にシングルマザーになると分かっていて、その事実を隠したまま妊娠するようなやり方で性交するって、そういうのを騙し討ちって言うんじゃないのか?子どもは生まれたら勝手に育つものじゃないんだぞ?あれこれさっきも書いたな?
積極的に育児する気も金銭を負担をする気もないが、どこかで自分好みの女が自分の子どもを生み育て自分の血が受け継がれていたらすっごく嬉しいなあって、そんなこと堂々と主張されたって当惑してしまう。
自分の子どもが欲しいのなら、相手にすべての事情を話し、了解を得られてからことに及ぶのが最低限のマナーだし、出産で命を危険にさらすのは女なのだから当然、産まない権利も与えられるべきだと思うのだが、この作品の中ではそのどちらもが疎かにされているので、共感はできなかった。ちゃんと事情を説明した上で、それでも子どもをつくる選択をした描写があったなら心から応援ができたと思う。でも、そうはならなかった、ならなかったんだよ。ロック。だからこの話はここで終わりなんだ。
とまあこれだけだらだら書けるくらいに脚本自体がNOT FOR MEでツッコミを入れまくりつつ見ていたものだから、本編の間は和希そらさんをはじめとするスターさんの魅力に集中することができなくて残念だった。
アニータの兄でレントゲン技師ジョルダーノ役の久城あすさんは、プロはこうあって欲しいという落ち着いた雰囲気があり、本筋にはあまり絡まないけれどもとにかくカッコいいので、出てくる度に目を奪われた。
一番好きなキャラクターはクラリーチェ。フェルナンドの元彼女でもあるクラリーチェが、現行の交際相手であるモニカがフェルナンドの病状に気づきそうになった際に咄嗟に嘘をつき、彼女がショックを受けないように取り計らう(マウント行為にも見えるが真意はこちらだと思う)ところは愛があって好きだったし、ラストでバリバリ仕事をしているところもカッコよかった。ランベルトとはどうなったのかについて触れられない塩梅も好きだった。
フェルナンド役の和希そらさんは、ミステリアスで暗い色気がある役どころにぴったりの方なので、ファンの人たちはたまらないだろうなと思った。ちょっと崩れた魅力のある男を演じる和希そらは絶品だと思う。最後のパレードでは惜しげもなく色気を振りまかれていたし、カーテンコールでの「みらいびと」や「お茶の間」発言は見た目とのギャップがあってホワホワした。雪組さんの次の大劇場作品を楽しみにしたい。
兎、波を走る@博多座
2023年8月26日(土)晴
7時頃一旦起きる。野田地図の当日券販売が10時からなので余裕があればチャレンジしようと思っていたのだが、眠いし暑くなりそうだし、行ったところで取れるか分からないし(並ぶ人は8時くらいから並んでいるようだった)、取れたところでマチソワに腰が耐えられるかも不安だしということで、行くのはやめてギリギリまで寝ることにした。9時半頃起きてfitbitの睡眠記録が「良い」になっているのを確認してから身仕度して出かける。
セブンイレブンでチケットを発券したら2列目で驚く。右側のサブセンター。野田地図は無料のメルマガに登録するだけで、大抵良い席を取ることが出来るので本当に有り難い。Kちゃんとロビーで落ち合ってから入場。席に着くと、椅子の上にクッションが置かれていた。近すぎて普通の状態だと見えなくなるからなんだろう。3列目まではクッションが置かれているようだった。舞台奥の方に螺旋階段やアリスの落ちる穴があることは台詞でわかるのだけれども、視認することは出来なかった。
13時から博多座で野田地図の「兎、波を走る」を見た。野田秀樹の作品は、事前に明かされている情報(今回は、アリスと2名の有名作家が出てくること)に隠されたテーマが存在し、作品中盤でそのテーマが明かされて、これまで意味も分からず笑っていた台詞はすべて意味のあるものだったことが分かって頭を殴られたような気持ちになるのが常である。
(ネタバレを絶対に踏みたくないのであれば以下読み飛ばして下さい)
=======(ここから)======
今回は、Twitterで当日券に関する調べ物をしている際に「戻れない女の子」という言葉を目にしてしまったので、テーマが拉致問題だろうということは予測がついていた。ならいっそと思い、政府のまとめページをおさらいしていったのだけれども、知っていてもひどい話ばかりで辛くなった。たまたまちょっと前にチェーホフの桜の園を読み始めたところだったので、それ関連のネタに関しては笑うことが出来た。ブレヒトについては三文オペラの作者であることくらいしか知らないので、どの部分がオマージュなのかは分からない。でもまあ元ネタを知らなくても、マッシュアップの天才・野田秀樹の手にかかれば、否応なく心を動かされてしまう。
そういうわけで、テーマがうっすら分かった状態で見たものだから、野田芝居につきものの、詩的でその響きだけでうっとり出来る台詞の裏の意味が分かるので、冒頭から涙目で見る羽目になった。
『不条理の果てにある海峡を、兎が走って渡った。その夜は満月。大きな舟の舳先が、波を蹴散らしては、あまた白い兎に変わった。アリスのふる里から逃げていく船は、代わりに兎をふる里に向かって走らせた。僕はその兎の一羽。不条理の果てからアリスのふる里へ、とりかえしのつかない渚の懐中時計をお返しに上がりました』
これを高橋一生の声で聞かされるのだからたまらない。
話の大枠は「桜の園」(女地主の土地が競売にかけられる)、競売を控えた女地主は、最後に自分の遊園地で昔見たアリスの芝居がかかるのを見たいと言う。その依頼を受けてアリスの脚本を書いているのはチェーホフのひ孫。そこにアリスの母を名乗る女が現れ、迷子のアリスを探しているという。チェーホフの孫は自分の書くアリスはそんな話では無いと言い、彼の書いたアリスの劇中劇が始まるが、40代のアリス役者が酒を飲んでぐだぐだになるとかいうネタだったので、女地主から解雇されてしまう。
新たに雇われたのはブレヒトのひ孫。彼は「黄昏れてピーターパンでアリンス」という脚本を書き出すが、それは子どもと親が、互いへの不満をシュプレヒコールにして叫び合うような代物だった。
女地主に好意を抱いている男、シャイロック・ホームズは、女地主を自分のものにするために、秘密裏に遊園地のIR計画を勧めるが、それはVRとARを使ったものだった。シャイロックはAI作家の初音アイに脚本執筆を依頼。シャイロックは女地主と共に自己をアバター化し、仮想現実の世界で暮らすことを目論んでいる。
- 売られようとしている遊園地と、女地主を我が物にしようとする男
- チェーホフのひ孫が書いたアリス
- ブレヒトのひ孫が書いた社会派のピーターパン
- 逃げ続ける兎(高橋一生)と、アリスを探し続けるアリスの母(松たか子)
- 迷子になったアリスのその後
- 第3の作家(AI)が書いた芝居の脚本、VR、AR、アバター
大きな要素はこの6つで、話はこの間を行きつ戻りつし、そうこうしている間に(作中の)現実に芝居が割り込んできて境目が分からなくなっていく。アリスの母の必死の追求によって、逃げ続ける兎は、彼が「アリス」の兎ではなく、「もう、そうするしかない国」の工作員であり、アリスが自分の仲間に拉致されてきたこと、彼女自身もスパイとして教育されていたことを目撃したと告白するに至り、今度は観客の暮らす現実世界と劇中の出来事の境目が曖昧になる。
「もう、そうするしかない国」とぼかしつつも、拉致という言葉、愛国歌の歌詞や38度の国境線、病院名、元工作員の氏名などがそのまま使用されているので、なんの話をしているのかはすぐに分かる。
博多座から地下鉄で10分のところには、着くはずの飛行機が着かなかった空港があるので、ハイジャック事件には触れると予想していたのだけれども(久々の福岡公演が、これまでの北九州芸術劇場ではなく博多座だったのはこれが理由なのかな?とも思った。考えすぎかも)、かなり突き放した言葉で(『何かしそう』という思想を旗印に、どこにでも座り込んだり暴れ回ったりしているどや顔たちが起こした「どや号ハイジャック事件」)語られたので、これは気にくわない人もいそうだなあと思った。ハイジャック事件の他には、ところどころで成田闘争らしき映像が舞台上に投射されたり、遊園地が取り壊しの危機に晒されるシーンで空港建設時の反対運動について言及がされたりしていた。
舞台上三方向の壁が幾重もの鏡貼りになっていて、舞台上で行われることが鏡の中で延々と繰り返されているのが見えてクラクラした。特に、巨大な振り子時計が揺れ動く中で演者たちが飛び跳ねるシーンが印象に残っている。
テーマの一つがVRだからか、プロジェクションマッピングや、どうやっているのかよく分からない技術が沢山使われており、役者の肉体と重なることで効果をあげていた。
いろんな場面で、人間に見立てた四角く大きな紙が使われていたのだが、それが舞台を横切ると人が消えたり、棒で叩きのめすと大きな音を立てたり、ビリビリに破かれたりと、ただの紙と分かっていても、目の前で暴力が行使されるのを見せつけられるわけだから、かなり怖かった。
わたしはテーマの一つである、AIや仮想現実については正直よく分からないのだけれども、(Vtuberやバ美肉の存在は知っているが、なぜそれが流行っているのかがピンとこない)、拉致問題と仮想現実を同時に語られると、自分の日常を思い出さざるを得なかった。
かの国がミサイルを発射したというニュースを耳にする頻度が上がるにつれ、まるで別世界の出来事みたいだと、自分と切り離して考えるようなところが出てきたからだ。ごく近い場所にある国が時報みたいにミサイルを撃ってくるのだから、日常生活を送るため、無意識下で感覚を麻痺させているのかもしれない。けれども、この状況が続いているうちは交渉も進まず、拉致問題の解決もないのだと釘を刺された気がしてドキッとした。
余談にはなるが、「ドキッとした」という台詞が何度も繰り返され、アリスとアリスの母が心臓の音で繋がっている(あるいはそうであってほしいという願望か)ことが暗示されるのと、螺旋階段が出てくるのとで、「半神」を思い出して、そういう意味でも涙が出た。
2列目というとんでもない至近距離で見たのだから、役者さんたちについても少しだけ。野田地図に出演する人たちはとにかくみんな声と滑舌がいい。高橋一生、松たか子、秋山菜津子、大倉孝二、山崎一といった複数回参加組は元より、初参加組も台詞が聞き取れないということがなかった。多部未華子は、テレビで見たままの声でごく自然に喋っているのに、舞台上でもよく声が通っているので、どういう体の使い方すればああいうことができるのかと思った。大鶴佐助は、いかにも舞台役者といった発声でどこまででも声が出そうな台詞回し。体もめちゃくちゃよく動く。見事な側転を決めてからの自己紹介でインパクトがあった。あとは木下歌舞伎の桜姫東文章で初めて見た森田真和。一度聞いたら忘れられない声をしていて、野田地図の世界にピッタリあっていた。別の作品でも見てみたい。
なんせ2列目なので(しつこい)、役者の口から飛沫がバンバン飛んでいるのがよく見えた。山崎一から話しかけられたり、大倉孝二と野田秀樹の、どっちがよりちゃんと空を飛べるか対決(という名の茶番)をかぶりつきで見られたり、変わった服がとにかく似合う高橋一生を堪能できたりと、満足度が高かった。あと一回、安い席で全景を見渡せればよかったとは思うが、それはWOWOWの放送を待とうと思う。
=======(ここまで)======
終演後、地下鉄の改札口で、やっぱりわたし野田さんだめだわと言っている人とすれ違ったが、それもまた仕方のないことだろうなと思った。わたしは、夢の遊眠社の贋作桜の森の満開の下を視聴覚室で見た日からずっと野田秀樹の作品が好きだけれども、理解できているかと言われたら答えに詰まるし、正直、あらすじすら分かっていないくらいだ。それでも毎回、観劇するといろんな感情を引き摺り出される。考えずに感じて、見終わった後に戯曲を見て体験を思いだし反芻する一連の流れが好きだ。これからもずっとそうしたいと思っている。次はどこの劇場で見ることができるだろう。楽しみに待ちたいと思う。
2023年ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル観劇記録
2023年のムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカルのマイ千秋楽が終わってしまったので、観劇日記と、プリンシパルキャストに対する勝手なイメージをまとめておきます。
(チケット代と旅費のこともあり)本当は7/21のマチネだけで我慢するつもりでいたのに、結局4回見たのでやり切った感があります。とかいいつつ、とか言いつつ、2024年に地元博多座での公演があったら通ってしまうと思う。演者も曲も美術もなんもかんも最高なので……話のスジが大好きかと言われれば別にそんなことはないけれども……でもそれとこれとは話が別なので……開場BGMを含めた日本公演のサントラください……頼むわ……
7/21マチネhttps://stilllifeppap.hatenadiary.jp/entry/2023/07/21/130000
7/22 マチソワ
https://stilllifeppap.hatenadiary.jp/entry/2023/07/22/130000
8/19 マチネ
https://stilllifeppap.hatenadiary.jp/entry/2023/08/24/142232
<望海風斗>
diamond is girl's best friendのfriendで帝劇の屋根を飛ばせる/shut up and dance with meの言い方が元男役さん!って感じでかっこいい/死にそうな演技がうますぎる。デコルテが薄いので本当に体調が悪いのではと心配になってしまうくらい。でもカーテンコールでは飛び跳ねてるし本当にどういう技術なんだろうと思う。/芝居歌が絶品/囁きからはじまり感情に合わせて音量と音色の調整が自由自在のfireworksが圧巻。/隠しきれない可愛らしさがあるので、厄介客に付きまとわれた過去がありそう/誰かと喧嘩しても見捨てられなさそう
<平原綾香>
diamond is girl's best friendのfriendで帝劇の屋根を飛ばせる/ナチュラルボーンセクシー/shut up and dance with meの言い方がほぼ吐息でめちゃくちゃセクシーだった/立ったままやりたいって言われて逡巡なく尻を突き出すの強い/プロの娼婦としての態度がちゃんとしててかっこいい。クリスチャンを拒絶してsympathy for the dukeに雪崩れ込む時のモードチェンジの仕方がキッチリしててよかった。/厄介客を(恨みを買わずに)切り捨てるのが上手そう/パワフルでかっこいい/母性というか、人類愛がすごそう
クリスチャン
<井上芳雄>
年齢不詳。人魚の肉たべたことあるって言われたら信じる/たしかな技術に裏打ちされた20代童貞男の演技がうまい。年上の女性から可愛らしく見られることにてらいがない。/未来から過去を振り返ってる場面のナレーションがすごくいい。/デュークがサティーンをモノ扱いしているところにより怒りを覚えていそうな雰囲気/革命の精神を大事にしていそう/ピストルを持ち出す=自分を撃つ気にしか見えない/「僕を見て」の悲壮感がすごい
<甲斐翔真>
大型犬/若く愚かで、ハッピーエンドを本気で信じている感/まわりの大人も彼を愛でているんだろうなって雰囲気があった/「決めた!いまキスする!」がとんでもなく可愛い/2幕のけっこう後の方まで公爵に対して、いうてもサティーンが好きなのは僕だからね!みたいな優越感を抱いているように見えた。/crazy rollingを笑いながら歌うのこわすぎ/撃つのはサティーンと自分のどっちなのかすら分かってないくらい混乱してるように見えた
ジドラー
<橋本さとし>
愛嬌を擬人化したらさとしジドラーになる/ほうぼうでかわいい男の子に手を出して刺されたことがありそう/観客を乗せるのはお手のもの/経理のこととかマジで何も分かってなくてああいうことになってそう
<松村雄基>
真面目そう/胃に穴があいたことがありそう/不幸な恋をして捨てられたことがありそう/すごいあの、未亡人っぽい/経理のことは分かっているがやむにやまれぬファクターのせいでああなってそう/もしもムーランルージュがマルチバースだったら、さとしジドラーと大喧嘩したあと絆されそう
<上川一哉>
鉄分をとった方がいい/厭世的でアブサンに現在進行形で溺れていそう/「僕のミューズ」の言い方がものすごく良かった。/シンプルに声がいい/掲載誌がマガジン
<上野哲也>
基本的に明るい/ああいう感じの人の方がブチ切れた時に怖いよなって説得力があった。公爵閣下と呼べのあたりとか。/外でニコニコするために裏で静かにアブサンに溺れていそう/掲載誌がジャンプ
デューク
<伊礼彼方>
ほぼ「らんまん」の高藤/代々とんでもない金持ちで成金ではなさそう/悪気ゼロで、芯から、「娼婦にはそれがお似合いだ」と思っていそう/身分制度の話したらぜんぜん話通じないだろうなって感じがある/こわい/愛人に浮気されて面子を潰された怒り>>>>>クリスチャンへの嫉妬っぽい
<K>
動きが全体的に蛇っぽい/家族関係で苦労してそう感がある/人間みがある/嫌味っぽいセリフはちゃんと嫌味であると認識した上で発言してそう/ボヘミアンの劣等感をそれなりに理解した上で利用しそうな感じがある/愛人に浮気されて面子を潰された怒り<<クリスチャンへの嫉妬っぽい
<中井智彦>
かわいい/ニニの尻に敷かれるのが似合う/台詞を喋る時の間が面白い/蓮華ニニとの組み合わせで3回見たこともあって、心の推しカプになってしまった/鉄道例えが面白すぎる
<中河内雅貴>
強そう/最高のジゴロってのが納得いく感じ/楓ニニとの組み合わせでみたので、ちょっと条例違反感があった/ダンスが力強くてかっこよかった/Twitterで中井さんから鉄道教育を受けている様がおもろい
ニニ
<藤森蓮華>
しなる鞭/なんなら作中一の強者感がある/予備動作からして気合いが入ってて本当にかっこいい/ギラギラしていてかっこいい/組み替えを経て着実に経験を重ねて2番手スターになってそう<加賀楓>
お顔と全体的なフォルムがまるこくてかわいい/とにかく可愛いので、サンティアゴとの絡みで目のやりどころに困る瞬間があった/ツンデレっぽい/「当然でしょバーカ」って言いつつ後ろむいたらにやけてそうな感じがかわいい/早期抜擢が続き、本人にしかわからない苦労を重ねて2番手スターになってそう
そのほか個人的にツボだったところ
・シュートベイビードールと望海サティーンの「ゴージャスなレディ」のシーン。サティーンの方が背が高いので、ベイビードールがすごく可愛く見えた
こんな感じ!思い出したら追加します。
SHINE SHOW@シアター・クリエ
2023年8月20日(日)晴
ちゃんと寝たけれども体がガチガチなので大浴場へ。湯船に浸かって体を整える。風呂から出て身仕度と荷物の整理をして、10時にチェックアウト。新宿線と三田線を乗り継いで日比谷へ。
地上に出て、世界で最も安いミシュランの星付きレストランこと添好運(ティム・ホー・ワン)へ。開店は11時くらいかと思っていたら10時だったらしく、着いたときには10人くらい並んでいた。いつ見てもすごい行列をしているので、これでもマシな方だろう。わたしの前には杖をついた女性が並んでいて、立っていると疲れるのか壁に寄りかかっていた。お連れさんは車椅子だったので回転が早いことを祈りつつ待つ。だいたい10分くらいで順番は回ってきた。日差しが強くなる前に入店できて良かった。
店員さんに渡された注文票を見ると、ひと皿が500~980円程度。セットメニューは無かったので、これは1人で来る店じゃ無かったかなと思いつつ、ベイクドチャーシューパオ、黄ニラとエビのチョンファン、季節の温菜、金木犀のゼリーを注文した。最初はアイス烏龍茶も頼もうとしていたのだけれども、机の上にサービスのホットプーアル茶があったので取り消した。
5分せずにベイクドチャーシューパオが運ばれてきた。小ぶりだが3個。メロンパンっぽい見た目の皮に甘めのチャーシューが包まれていて、癖になる味。このメニューだけはテイクアウトも出来ることを知って、別のメニューを頼めば良かったと思う。でもあの美味しそうすぎる写真を見たら、外すのは難しいよなあ。チョンファンはドゥルンとした皮にうまみ成分が染みこんでいて、ジャンクな味でおいしい。季節の温菜は空心菜。料理の味付けは全体的に甘かった。金木犀のゼリーは寒天寄せ風の固めの食感。あんまり食べたことの無い風味だったので頼んで良かった。今度来るときは絶対に3の倍数友達をあつめて来よう。
12時頃、シアタークリエの窓口で芝居のチケットを発券。ロッカーの有無を尋ねると、開場前だが入り口を開けるので、預けていっていいとのことだったので、有り難く置かせてもらう。身軽になってシャンテへGO。薔薇とサムライの衣装展と星組ディミトリとジャガビーの衣装展をハシゴして写真を撮った。薔薇サム2のゲキシネも見に行きたいけれど、地元じゃもう終わっているかもしれない。
キャトルレーヴで柚香光さんと侑輝大弥さんの舞台写真を見て回る。柚香光さんの新しいポスターが、ファッションフォトとしても凄く格好良くて欲しかったのだが、折り曲げずに持ち帰るのは難しいので、後日オンラインで頼むことにした。キャトルの後はプチメックでパンをいくつか買う。レジに、SHINE SHOWとコラボしているホッピーカクテルの広告が置いてあったのだけれども、朝夏まなとさんの写真の下に「開演15分前でも間に合うよ!」と書かれていて笑ってしまった。開演15分前にカクテルキュッと引っかけて隣の劇場に向かう人は酒豪なんよ。
シアタークリエ『SHINE SHOW!』
13時からシアタークリエで「SHINE SHOW!」を観た。新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会をモチーフにした作品。出演者に朝夏まなと、中川晃教とミュージカル俳優が名を連ねていたのでミュージカルだと思っていたのだが、歌唱シーンのあるストレートプレイだった。初演とあってかチケットは完売しておらず、2日前に最前列を抑えることが出来た。
新宿三井ビルのど自慢大会のことはTwitter経由で知っていて、シュレッダー紙吹雪を見て大笑いしたことがある。あれが元ネタなら間違いなく面白いだろうと思いチケットを取ったのだが大正解だった。戯曲そのものがよく出来たシチュエーションコメディだし、カラオケ大会出場者にミュージカル俳優がキャスティングされた結果、歌が上手すぎて笑ってしまう面白さが加わっている。
物語の主人公は、のど自慢大会の運営スタッフリーダーの鈴本(朝夏まなと)。個性溢れる出場者達の無茶な要望や、突発的なトラブルをちぎっては投げちぎっては投げ八面六臂の大活躍。いまいち気の利かない新人スタッフ加瀬(小越勇輝)のやらかしに足を引っ張られつつ、年に一度の大イベントを問題なく進行するべく奮闘するという、いわゆるバックステージ物だ。登場人物は多いが、伏線の張り方が丁寧なのと、見せ方が分かりやすいので混乱することはない。最初から最後まで大いに笑って楽しんだ。
特に面白かったのが、ここのところ朝夏まなとさんとの共演が続いている木内健人さん演じる鐘巻。気の小さい彼は、自分以外のみんなが炎上プロジェクトの火消しに奔走している中で、仕事を免除されてカラオケ大会に臨むことに耐えられず鈴本に辞退を申し出るが、なかなか了承してもらえない。同僚たちに仕事をさせてくれと頼むべく職場に戻ったところ、社員証は失効させられており、職場に入ることができなかった。ショックを受けた彼は、濡れた大型犬よろしくブルブル震えながら鈴本たちに泣きついてくる。
のど自慢ガチ勢の鐘巻の同僚たちは、彼の性格を鑑み、歌唱に集中させるためだけに仕事をあえて社員証を失効させていたのである!みんなが自分を嫌っているわけではないことを理解し吹っ切れた鐘巻は、大会でレミオロメンの「粉雪」を熱唱。曲の途中で降ってくるシュレッダー紙吹雪は同僚たちが鐘巻のために差し入れたもの。「こなああああゆきいいい」のフレーズと共に、人影が消える勢いで大量の紙吹雪が降りしきり、場内は大爆笑に包まれた。このシーンの写真は公式Twitterにアップされていたので、何が起こるのかは分かっているのにそれでも笑ってしまうくらいの絵面のすごさ。そしてそんな状況でも美声を響かせてくれる木内さん。プロだ。
他にも、今後ぜったいに見ることができないであろう、長渕剛を熱唱する朝夏まなと(音痴キャラ)や、長渕観というワード、なかなかフルコーラス歌わせてもらえない中川晃教など、見所が山ほどあった。脚本家の劇団、アガリスクエンタテインメント所属の役者さんたちの掛け合いは流石のうまさ。特に、のど自慢に詳しすぎるボランティアスタッフ秋野役の前田友里子さんが好きだった。機会があれば劇団の公演も見てみたい。
終演後、座って移動するために東銀座経由で羽田へ向かうことに。スーツケースを引いて日比谷線銀座駅まで歩き、銀座から東銀座に行くつもりが逆方向に乗ってしまった。あわてて引き返して、改めて東銀座で浅草線羽田空港行きに乗り換え。バタバタしたので疲れてしまった。大人しく品川経由で行けばよかった。
ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル@帝国劇場
2023/8/19(土)
東京メトロに乗って帝国劇場へ。今日がMRTMのマイ楽だから地上から入ろうかと思ったが、帝劇地下街で迷子になりかけ、地下入り口を見つけた頃には開場時間を過ぎていたの最後も地下から入場してしまった。
チケットを見せて場内に入り、二階の帝劇カフェへ。12時8分なのにもう満席で、10組くらいの待ち列が出来ていた。諦めるか悩んだけれどもお祭りを全うしたかったのでそのまま並び、12時20分くらいにカフェに入る。
カフェ内部はムーラン・ルージュの雰囲気に合わせて、赤いベルベットの布を使ったインテリアに統一されていた。サダハル・アオキのマカロンとケーキ、ソフトドリンクのセットが2000円。お値段に震えつつ注文。ワインセットもあって周りの紳士淑女はそちらを頼んでいる人が多いようだった。下戸でなきゃわたしもそっちを頼んだだろう。
フランボワーズのマカロンと、チョコレートとフランボワーズのケーキはどちらも赤いのだけれども、店内照明も赤いものだから、ハレーション?を起こしてうまく撮ることが出来なかった。どちらもめちゃくちゃ美味しくて感動もの。お高いだけのことはある……。帝劇の刻印がされた金属製のスプーンとフォークは記念品として持ち帰りOK。そのぶん値引きしてくれよと思わなくも無かったが、お祭りだから!と言い聞かせて鞄に入れた。
カフェを出てすぐのフォトスポット付近で、二人連れのご婦人方から写真を撮って欲しいと声をかけられた。折角なのでわたしも撮ってもらうことに。撮影をひとしきり終えたところで、お二人のうち一人が、柚香光さん監修ピンクベージュのシルクワンピースを着用されていることに気づく。お似合いだったこともあって、それはもしかしてとお尋ねしたら「そうなんです。宝塚を見るときに着ていくのは恥ずかしくて」と返された。鴛鴦歌合戦を見に行った時に、ロビーでJOSEPHを着ている人を殆ど見かけなかったのはそういうことかと納得する。わたしも柚香さん監修の指輪をつけていたのでお見せして、軽い交流を楽しんだ。退団が決まってすごく寂しいですとか言わなかったことを褒めて欲しい。
開演15分前くらいに席に着く。Q列サイド席だったので、下手側が若干見づらかったが、6列目サイド席よりはマシだった。
1か月前に散々写真と動画を撮ったのに、ついまた撮ってしまう。抗えないくらいにビジュ爆発しているのである。10分前からはプレショーをオペラグラスでガン見したのだが、一列前に座高たかめの人が座っていたので、視界がちょこちょこ真っ黒になった。プレショーキャストの中にで乾直樹さんを見つける。さすがの格好良さ。素晴らしいダンサー揃いのカンパニーだから、体の動かし方ひとつとっても綺麗でうっとりしてしまう。自分の体のどこを動かせばどう見えるか、完全に把握している人たちは本当にすごい。
13時から「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」を見た。今日のプリンシパルキャストはサティーン望海風斗、クリスチャン井上芳雄、ジドラー橋本さとし、デューク伊礼彼方。観たいと思っていた組み合わせ。
7/22昼回もこの組み合わせだったのだが、舞台機構のトラブルで一旦中断してしまったので(それはそれで面白かったけれども)、個人的には仕切り直し感がある。
22日昼回とロートレック、サンティアゴ、ニニのキャストは違っていた。藤森蓮華さんのニニをもう一度見たいと思っていたこともあって、チケットを流すのは取りやめて遠征を決めた。
大千秋楽が8月末に迫っていることもあり、キャストの練度は更に上がっていた。客席の盛り上がりも凄まじく、冒頭も冒頭の、クリスチャンが初めてムーランルージュのショーを見て「なんてすごいんだ!」というシーンで客席の拍手が鳴り止まなないショーストップ状態になっていたし、その後も指笛職人や歓声職人のおかげでめちゃくちゃ楽しい感激となった。
1か月前に見た時に引き続き、望海風斗、井上芳雄、橋本さとし、伊礼彼方の組み合わせは、舞台歴が長い人たちならではの間の取り方のうまさがあり、安心して見ていられるし彼らの掌でころころ転がされている感覚があった。
ロートレック役の上野哲也の演技が、一か月前から深まっているように見えて面白かった。普段はニコニコ軽妙な態度で世間を乗り切っているけれども、信念に関する話になると火花が散って爆発する感じの役作りなのだが、その切り替え具合が自在になっていて、稽古中にデュークとぶつかるシーンなんかは本当に殴り合いが始まりそうな迫力があって良かった。
中井智彦サンティアゴと藤森蓮華ニニの組み合わせは前回も見たのだけれども、かわいいサンティアゴと格好いいニニの並びが絶妙(「愛してる!」「当然でしょ、バーカ!」のシーンが最高)で、コンビで推しはじめているところが有る。
望海サティーンと蓮華ニニは、ガイズ&ドールズでも共演していることもあって、ニニの気遣い振りが自然でかつ台詞の響きがすごくエモい。スピンオフでこの2人が出合った頃の話とか見てみたいくらいだ。
サイド席で視界はいまいちかと思っていたら、「僕を見て」のシーンでクリスチャンとサティーンをオペラグラスで両方追える席だったので芳×2倶楽部に感謝した。
ロートレックの絵を大きな幕にしたものが歌きっかけでバサっと落ちて、その絵を背景にクリスチャンとサティーンが並び歌うシーンでは、訳詞にある通り二人がヒーローに見えた。立ち姿が格好いいんだよなあ。
最後のショーまでしっかり楽しみ、銀テやハート型の紙吹雪を拾い、ベンチに座ってロビーをしばし眺めてから名残惜しい気持ちと共に帝劇を後にした。わたしの2023年夏のムーラン・ルージュ!詣ではこれでお仕舞い。
オーディション要項に書かれていた通り、来年秋頃に地方公演が予定されているのであれば、望海サティーンと甲斐クリスチャン、平原サティーンと芳雄クリスチャンの組み合わせも見てみたい。あと、中河内サンティアゴと蓮華ニニの猛獣同士のダンスも見たい。それまでブロードウェイ版のサントラを聴きつつ、再演決定の一報を待ち続けようと思う。
ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開@アーティゾン美術館
9時の飛行機で福岡から羽田へ向かう予定だったが、機材変更かなにかで出発が遅延。11時前には羽田に着く予定だったのに、飛行機から降りられたのは12時だった。
お腹がめちゃくちゃ減っていたので、気になっていたカレーうどんの店、CUUDに行った。グレーで統一されたカウンター席のみのスタイリッシュな店で、席がすべて厨房に向かう形で設計されており、劇場みたいだった。
スパイスカレーうどんとトマトカレーうどんのハーフ&ハーフセットを選ぶ。和風だしと白ご飯、ピクルスが添えられていて、まずはうどんを食し、和風だしで味変、ご飯にかけてスープカレーとして、トッピングの温泉卵を加えて雑炊風でもどうぞという説明書きを手渡された。細麺のうどんに本格的なスパイスカレーが絡んでとても美味しかった。また行きたい。
夜に友だちとご飯を食べに行く以外は予定がないので、これからどうするか考える為に、(食後すぐは良くないと思いつつ)無重力マッサージチェアのお世話になる。遅延で腰が固まっていたのがちょっと楽に。第1ターミナルの日当たりがいいところに設置されていたので、室内なのにちょっと暑かった。
推し俳優が好きな画家として名前を挙げていたウィレム・デクーニング作品が展示されているらしいので、アーティゾン美術館に行ってみることにした。一か月前と同じく、京急成田空港行きに乗って日本橋まで行く。地下鉄の駅に直結している高島屋に入ったら、天井や階段、エレベーターなどがすべて立派で驚いた。(あとで調べたら重要文化財だったらしい。納得) これはもしかして名建築で昼食を案件では。アーティゾン美術館の入場開始時間が迫っていたので写真を撮るのはそこそこにして店外へ。
真昼の太陽にじりじり焦がされつつ地上を行く。5分もかからない場所だというのに汗じっとりに。アーティゾン美術館に行くのははじめてだったけれども、外観からしてスタイリッシュだった。100円を入れなくていいタイプの無料ロッカーが沢山設置されていたり、人気声優・細谷佳正さんが語り手の音声ガイドが無料提供されていたりと、入場前から太っ腹さに驚いていたのだが、石橋財団の本気はここからだった。
14時過ぎに入場し、「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」展を見た。無料Wi-Fiに繋いでアーティゾン美術館のアプリをダウンロードし、Bluetoothイヤフォンで音声ガイドを聞きつつ観賞。入ってすぐの部屋に、マネの「オペラ座の仮面舞踏会」とゴッホの「モンマルトルの風車」が展示されていたので、ファントムとムーラン・ルージュに思いを馳せた。
抽象絵画のことを分かりたくて見に行ったのだけれども、直感的にかっこいいとか、これ好きだなというのはあっても、何を意図しているのかを読み解けるかといわれたらやはり難しかった。
マティスの「コリウール」あたりはまだどこかの景色なんだろうなと予測がつくけれども、ウィレム・デ・クーニングの「リーグ」は、ぱっと見できれいな色で魅力的だなと思いはしたが、説明文を読むとさも当然かのように「女性像の連作の一つです」なんて書かれているもんだから頭の中が大混乱したりした。
わたしは色彩と筆致に興味を惹かれる方なので、厚く油絵の具が塗られたものの一部を引っ掻く形で線が引かれているものや、砂を混ぜた絵の具が塗られたものを側面から見るのが楽しかった。抽象絵画を生で見ると、ちゃんと美術の素地がある人が意図を持って描くから成立していることが分かる。あんなもの、わたしには絶対に描けない。
音声ガイドを逐一聞きながらじっくり見ていたのだが、点数がやたらと多く、序の口だというのに疲れてきた。休憩スペースを探したが、一階あたりにベンチが一箇所のみだったので、もうちょっと増やして欲しい。
説明文を見ていてちょっと気になったのが、夫婦ともに画家という人たちの作品がちょこちょこ展示されていたことだ。説明文をざっと見た感じから、背景をちゃんと調べたら、才女の運命案件が紛れているのではなかろうかと考えてしまった。
草間彌生の「infinity Nets No.A」は、ちょっと見ただけで鳥肌が止まらなくなってしまい、直視することが出来なかった。先日テート美術館展で見た作品(「去ってゆく冬」)は好きだったんだけれども。
一番好きだったのはザオ・ウーキーの「07.06.85」。色がとにかく綺麗で引き込まれた。この絵が家にあったら幸せだろうな。
3フロアをじっくり見て回ったら、いつの間にか3時間が経っていた。首と背中がガチガチ。作品リストをよく見たら作品数が264点、音声ガイドは46トラックあった。疲れるわけだよ。(参考までに、この間見たマティス展は155点だった。)チケット代が1800円なので、ひと作品あたり6円しか取っていないことになる。ポストカードも1枚110円と大変にお手頃。石橋財団の本気を見た。
美術館を出たのが17時。日本橋高島屋まで戻って、階段や天井、そこここの意匠を写真に撮ってまわる。どういう形式かなどはよく分からないが、どこもかしこも格好良い。エレベーターで地下まで降りると、エレべーター自体が貴重な物だからか、エレベーターボーイが乗っていた。細長い真鍮の部品が連なった内ドアがレトロで見るだけでテンションが上がった。