点Pくらいよく動く

友達に言われたことをブログのタイトルにしました。

舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1@配信

 翌日9時の飛行機で東京に行く予定だったので、舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1をアーカイブ配信で流しつつ荷造りをした。

 

 舞台弱虫ペダルは初演から前々回の公演までで、小野田坂道が総北高校に入学してから2年生のインターハイを終えるまでの話を描いてきた。演出は1公演を除いて西田シャトナーさんが務められていたが、キャラクターによっては一公演ごとにキャストが変更になったりしていた。原作はまだ連載中であり、小野田坂道が3年生で参加するインターハイの結果が出るのはだいぶん先であることも鑑みてか、前回公演で大規模な仕切り直しが行われた。


 話は原作の冒頭からやり直し。演者はパズルライダーを除きすべて新キャストに。脚本は西田シャトナーさんが書かれるが、演出は手嶋を演じていた鯨井康介さんが務められることとなった。パズルライダー(舞台セットを展開に合わせて舞台上で移動させ、時にはキャラクターを演じるという、怪我無く公演を全うするためには必要不可欠の役職)の伊藤さんと村上さんが続投。ライド指導役として泉田役を演じていた河原田さんが参加されている。キャストとして舞台に立っていた人が裏方に回るところにまず作品愛を感じる。前回公演での鯨井演出は、ものすごく丁寧で好感を持った。前回公演のキャストは全員が続投。これからはテニミュ方式(1クールは固定キャストで回して、次のクールではキャスト全員総取っ替え)を採用していくんだろう。2.5舞台でキャスト変更があるとそれだけで荒れるのでこの方針は有り難いところ。


 「THE DAY1」は、タイトルの通り、小野田坂道が1年生で参加したインターハイ初日を描く作品。スプリンター対決、坂道の落車からの100人抜き、巻島と東堂の山岳争い、三校同着一位が見どころ。


 今回から新しく参加された、泉田役の青柳塁斗さんがとにかくすごかった。泉田は自分の大胸筋にアンディとフランクという名前をつけて育てているマッチョキャラなのだけれども、青柳さんはアンディとフランクに対する台詞を喋りながら、右大胸筋と左大胸筋を別々に動かしていた。ホンモノすぎる。どうも界隈では筋肉で有名な人らしくて納得。


 鯨井演出は今回も丁寧だった。自転車に乗っているシーンは全体的にスピードアップしているように見えた。前回から続投しているキャストが多いので、経験が積み重なって速度を上げてもついて行けるようになっているんだろうな。役者を育てる装置としてのペダステが再構築されていくようで見ていて面白かった。


 小野田坂道が落車した時に背中を押し、ここから100人抜け!と声をかけるのが、長年参加しているパズルライダーの伊藤さんが演じる杉元と、村上さんが演じる寒咲通司なことにグッときた。100人抜きのシーンでキャストが客席通路を走り回り、配布された旗を振って、声を出して実際に小野田コールをするという演出も好きだった。レースの観客として客席を巻き込むのは大正解だと思う。


 山岳賞争いの直後に、審判車のスタッフ役に着替えて一仕事させられることについて、巻島役の山本さんが舞台上で鯨井さんに対するクレームをボヤいているのが面白かった。風通しのいいカンパニーだから出来るやつ。


 今泉役の砂川さんが、カーテンコール挨拶でちょっと噛んだだけで「終わった」と言い出し周りに慰められているのを見て、この人でポキ泉くんのシーンが見たいなあと思った。


 今回の配信は、スイッチング映像と全景映像が両方配信されていた。ペダステはスロープを人力でどんどん動かしていき、そこに照明と音響効果を加えてスピード感あるレースシーンが演出されているところが魅力だが、スイッチング映像だとどうしてもカメラは演者にピントを合わせるので、セットチェンジの細部を確認することは難しい。全景映像だと、その点をじっくり見ることが出来る。信号機キャスト陣がその点をアピールポイントとして挙げていたのも良かった。


 千秋楽のリアルタイム配信が花組の鴛鴦歌合戦と被っていたので、ペダステの配信はアーカイブで(宝塚の配信はアーカイブが残らないので優先せざるを得ない)と後回しにしていたら、れいまどの退団発表を食らって気を失ってしまった為、遠征の荷造りをしながら細切れに見るという申し訳ない視聴態度になってしまったので、円盤が出てから改めてじっくり観劇したいと思う。